ビジネスに役立つ世界的話題作『FACTFULNESS』日本初上陸!

こんにちは、雑記ラビリンスです。

 

今回ご紹介するのは「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 

10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」という本です。

電車の中の広告でも取り上げられてるため、気になっている方も

多いかと思います。

 

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どんな本?

国連をはじめとする国際組織が出したデータをもとに

世界の本当の姿について説明し、また僕たちがいかに勘違いを

してしまっているのかを作者の経験を交えながら教えてくれる

作品です。

 

この本は以下の構成で書かれている本です。

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Fig.1 本著の大項目

 

上の図に示されている①~③について解説します。

①では読者が世界についてどれぐらい正確に知っているかのクイズ

13問紹介されています。

②では多くの人々はなぜ、世界の見方を誤ってしまうのかを

その理由を10の思い込みに分類して各項目ごとに説明されています。

③では、ファクトフルネスの実践についての説明が書かれています。

 

さらに②の内容は3つの構成から成り立っております。

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Fig.2 10の思い込みの各章の構成

④では作者自身が体験したことが書いており、子供のころドブに落ちた

話や悔やみきれない失敗などがつづられております。

⑤では思い込みによる勘違いに対して国際組織が公表している

データを用いて実際の世界の様子を紐解いていきます。

⑥は各章のまとめになり、ファクトフルネスとは何かを短いセンテンス

で締めくくっています。

 

続いて、その10の思い込みについていくつか内容を紹介していきます。

 

人々は10の思い込みをしている

国際組織が出したデータと僕たちの認識にギャップが生じてしまう理由を

10項目に分類して書かれています。そのうちいくつかについて

紹介いたします。

 

分断本能「世界は分断されている」という思い込み

何かの物事や人々を2つのグループに分けて考えることがあるかと思います。

例えば

「金持ちグループ」と「貧乏グループ」

「男性」と「女性」

「民間」と「公務員」

などなど・・・

 

そしてこの2つのグループの間には埋めることのできない溝があるはずだ

と思いこむことを『分断本能』と作者は定義しています。

 

本著では高所得国、低所得国、中所得国と所得を例にとり

「金持ちグループ」と「貧乏グループ」といった対立の図式を

データを駆使して調査してみると、低所得国に住む人たちは世界の9%

しか存在せず、大部分(75%)は中所得国にいるため

「金持ちグループ」と「貧乏グループ」の分断はないといっています。

 

ファクトフルネスとは・・・話の中の「分断」を示す言葉に気づくこと。

それが、重なり合わない2つのグループを連想察せることに気付くこと

本著59ページより引用

 日々、目にするニュースも対立を図式にした構成になっていないでしょうか?

もし、そうなっていたときファクトフルネスを使用することで

そのニュースの本質が見えてくるかもしれません。

 

ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み

このブログを読んでくださっている皆さん。

世の中はよくなっていると思いますか?

それとも悪くなっていると思いますか?

 

悪いニュースを目や耳にしない日はないでしょう。

毎日あちこちで悲劇が起き、そして報道されます。

 

しかし、実際にはどうでしょうか?

世界の貧困率(1日2ドル以下で生活する人々)は1966年には50%

でしたが2017年には9%まで減少しています。

 

世界の貧困は少しずつですが改善しているのが世界の事実です。

 

少し脱線しますが日本の治安はよくなっていると思いますか?

それとも悪くなっていると思いますか?

 

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平成30年度警察白書より引用

 

答えはよくなっているが正解です。

意外でしたか?

悪いニュースは多いけれど治安はよくなっているのです。

 

世界にはよいニュースもあれば悪いニュースもあります。

悪いニュースのほうが広まりやすいと知っていれば世界に

絶望することはなくなる、作者は語っています。

 

 

ファクトフルネスとは・・・ネガティブなニュースに気付くこと

ネガティブ本能を抑えるには、「悪いニュースのほうが広まりやすい」

ことに気付くこと

本著95ページより引用

 

『悪事、千里を走る』とはいったものです。

恐怖本能「危険でないことを恐ろしいことと考えてしまう」という思い込み

恐怖心というものは誰もが持つものです。むしろ持っていたこそ

人間はここまで生きてこられたというのもあります。

しかし、その恐怖心に飲み込まれてはいけないと、

恐怖と危険は別物だと作者は説明しています。

 

恐ろしいと思うことはリスクがあるように見えるだけで、

危険なものは確実にリスクがあると。

 

世界中の災害支援の情報は国連のリリーフウェブというサイトに

集まるようになっています。

reliefweb.int

 

純化本能「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み

世の中の様々な問題に一つの原因と一つの回答を当てはめてしまう傾向を

わたしは「単純化本能」と呼んでいる。

本著240ページより引用

 作者は自由主義をたとえに、それだけを信じ込んで考えてしまうと

世界をとんでもなく誤解してしまうと述べています。

 

なぜなら自由市場で物事を解決できると考えると政府の介入は

何でも反対になってしまうし、減税や規制緩和も必ず賛成しなければ

ならなくなるからだと。

 

このような現象って思い当たることってありませんか?

そうですね、例えば水道事業民営化を可能にする改正水道法の場合だと

「民営」VS「公営」

の「民営化で水質が悪化する」やら「民営化しか選択肢はあり得ない

など、両極端の声が上がってきます。

 

水道事業の問題はさておき、このように一つの切り口から物事を

考えてしまうと問題の本質が見えてこないと伝えています。

 

ファクトフルネスとは・・・ひとつの視点だけでは世界を理解できないと知ること。様々な角度から問題を見たほうが物事を正確に理解できるし、

現実的な界を見つけることができる。

本著259ページより引用

 

他にも

・直線本能

・過大視本能

・パターン化本能

・宿命本能

・犯人捜し本能

・焦り本能

があります。

グローバル市場で生き残りをかけて日々戦っているビジネスマンの方こそ

一読をお勧めします。

グローバル化した市場をデータに基づいて理解することは

ビジネスにとって必須能力だからです。

 

 

感想

作者の経験と国際機関によるデータを織り交ぜながら世界の

事実について教えてくれます。作者自身もこの『ファクトフルネス』を

すぐに会得したわけでなく、長い時間をかけて習得したものです。

 

そして心に残った言葉は

世界は変わり続けていることと、死ぬまでずっと知識と世界の見方を

アップデートし続けなければならないことを教えよう

本著316ページより引用

です。常に勉強をし続けて、前に進んでいこうと思います。

 

作者が中心となって活動しているGapminderのサイトを下のリンクに

載せますので興味を持った方は是非ご覧になってください。

(英語のページです)

 

www.gapminder.org

おしまい

 

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