猫の手、貸します 猫の手屋繁盛記を読んで

あらすじ

ある事情で白猫姿になってしまった近山宗太郎(通称:猫太郎)

は町の雑事を引き受けるよろず請け負い稼業、「猫の手屋」を営んでいます。

そんな奇妙奇天烈な猫のサムライが活躍するお話が3話収録されています。

 

迷子地蔵

夫婦げんかが絶えないお軽と三郎太。そしてしっかり者の娘、お妙。

いつも通りの日常にある人物が訪れます。

 

ネコの恰好をした托鉢僧です。江戸の町の物乞いはみな風変わりな

恰好をしており、ネコの恰好をした托鉢僧もその一人です。

両国にある回向院をもじってねこう院と駄洒落をうって子供たちに大人気。

 

そんなとき、大事件が発生します。お妙が行方不明になってしまうのです。

お妙は、どこにいったのか?

ネコの恰好をした托鉢僧がどう関わってくるのか?

ネコ侍のはどう活躍するのか?

 

鳴かぬ蛍

迷子騒動が一件落着しても、元の木阿弥。三日月長屋の名物

お軽と三郎太の夫婦げんかがすぐに始まってしまいます。

 

そんな時大家の惣右衛門からネコ侍の宗太郎が幽霊が出る

と言われるお屋敷で寝ずの番をしてほしいと頼まれます。

 

承諾した宗太郎はうわさの屋敷に向かいます。その途中で

ネコの恰好をした托鉢僧に再び出会い、一緒にその屋敷に行くことに

なります。

 

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と言うように、正体は分かってしまえば

大したものではありませんでした。

 

これで一件落着かと思いきや、物語はもう少し続いていき意外な結末をむかえます。

思案橋から

宗太郎がなぜ、白猫姿になってしまったのか、その理由が

明らかになる回です。

 

しかし、宗太郎は、猫の姿をした張本人から本物のネコにされて

しまいます。

ネコにされてしまった宗太郎は色々とひどい目にあいますが

猫語が分かるようになり、近所の猫たちと会話ができるようになります。

そこで20年ほど前にいた白猫親子について宗太郎は知ることになります。

 

最終的に無事?元の姿(白猫)に戻ることができますが、

宗太郎が元の人間に戻れるようになるには、しばらく時間がかかりそうです。

 

 まとめ

 猫の姿をした侍を主人公とした話で、江戸の庶民の生活が

ところどころ垣間見えてきますが、インパクトのある話はなく、

宗太郎が猫にされてしまった理由も、最後まで引っ張るほどのものでは

ないかと思いました。

 

おしまい